警察学校を卒業すると、まず交番勤務につくことになります。ここで先輩の指導のもと、警察官の仕事の基本を学んでいきます。
何か事件が発生した時、交番やパトカーの勤務員が最初に現場に駆けつけます。少年犯罪なら生活安全課、空き巣や強盗などは刑事課、人身事故なら交通課、とそれぞれの専門の課に引き継ぐので、全ての事件の入り口を担当することになり、「警察の仕事全般を学ぶのにちょうどいい」のが交番やパトカーの勤務員と言われているようですね。
■出勤〜勤務開始
交番勤務員は交番に出勤してきている、と思っている人が多いようですが、実はコレは誤解。家と一体化している駐在所以外の交番勤務員は、全員管轄の警察署に出勤してきます。
ここに自分のロッカーがあり、制服に着替えます。そして上司の指示や伝達事項を聞いた後、前日からの勤務員からバイクやミニパト、交番の鍵などを引き継いで、交番に向かうのです。
日によっては、仕事の前に武道訓練が入る場合があります。軽く汗をかく程度で終わる署もあれば、ヘトヘトになるまでしごく署もあります。ヘトヘトになった後に仕事をするというのは、素人目にみても、どうかと思いますが……。
自分の受け持ちの交番についたら勤務が始まります。「勤務表」というスケジュール表のようなものがあり、何時から何時まではパトロール、何時から何時までは巡回連絡(各世帯、店舗を訪問して要望を聞いてまわる仕事)、といった感じでやることが決められているので、それにしたがって仕事をします。
その間に110番通報が入ると、署にいる上司から無線で指令が来て、その事件や事故を扱うことになります。
場所にもよりますが、昼間は万引きや物件事故(怪我人のいない交通事故)、駐車違反の通報などが多いケースです。
ちなみにノルマとは呼んでいないようですが、「月にこれだけやらなければならない」という数値目標は警察官にもあります。これを達成するために、通報の合間に交通違反や自転車泥棒を捕まえ、何件かの巡回連絡を行っていくのだそうです。
交通違反は、バイクや自転車で自動車の違反も捕まえなければならないので、必然的に車をとめやすい場所でひっそり待つような形の取り締まりがメインになっているようです。雨が降ると、外で切符を書くことは出来ないため、駐車違反のシール貼りなどに切り替えるのだそうです。
雨の日は、駐車違反に気をつけましょう(笑)
■夕方以降
こうして日中が過ぎていき、夕方から夜になると、空き巣を警戒する必要が出てきますので、住宅街などのパトロールを強化します。
また、夜は酒を飲む人が増えるので、酔っ払いのケンカなどの通報も増えてきます。
さらに、道が暗くなれば交通事故も増えます。夜は、昼の数倍の110番通報がくるのだそうです。夕飯に麺類を食べてはいけない、という鉄則があります(出動中に伸びますから)。
夜も更けて23時を過ぎると、少年が外を出歩いてはいけない時間帯に突入します。コンビニなどにたむろする中高生を補導したり、終電を逃して駅前の自転車を拝借したサラリーマン、町外れや港に続く道路に車を停めて、覚せい剤を楽しむジャンキーなどに職務質問をかけ、犯罪の検挙につとめます。
■夜明け〜引き継ぎ
夜があけて朝になると、交番の引継ぎの準備です。
通勤時の交通事故や、痴漢などの通報を処理しながら、合間の時間を縫って、交番の掃除をします。ガソリンを満タンにして引き継がなければならないので、ガソリンスタンドに行くのもこの時間だそうです。
そうしてあわただしい朝を終えて8時半になると、次の係に引き継ぐため、警察署に帰ってくるのです。もし武道訓練があった場合、その時間も勤務しなければならないので、訓練は大半の警察官に不評だそうです(笑)。
バイクや鍵の引継ぎが終わっても、すぐに「さて帰ろう!」とはなりません。その日に扱った事件の書類などを、それぞれの専門の課に引き継がなければならないので、その書類の作成、整理の仕事が控えているのです。
これらの仕事を終え、制服を脱いで、帰るのは大体翌昼の12時くらい。ボロボロの体を引きずりながら、家に帰っていくのです。
ウチの旦那は交番勤務時代、週に1回は、帰宅時電車を乗り過ごしていました。職場から帰って来たら、ご飯も食べずに泥のように眠り、夕飯時に目が覚める……といった様子でした。
おつかれさまです。